第13回日本透析クリアランスギャップ研究会の大会長を仰せ付かりました済生会熊本病院の副島一晃です。開催にあたり御挨拶申し上げます。
本研究会は2006年に香川県高松市にて第1回大会が開催されて以来、クリアランスギャップの概念の普及にとどまらず、質の高い透析を提供するための血液透析モニタリングの重要性を多方面から検討する研究会へ発展してまいりました。このような研究会のあり方や高齢化に直面している透析医療の現状を踏まえ、第13回日本透析クリアランスギャップ研究会のテーマを「QOL向上にむけた透析モニタリングの新たな展開」といたしました。
血液透析患者のQOL保持向上のためには、合併症の予防と悪化防止、そしてADLの維持がたいへん重要です。透析合併症の予防・悪化防止に関しては、クリアランスギャップをはじめとする様々なモニタリング技術を駆使して、透析効率を客観的に評価し、良質かつ十分な量の透析の提供に向け各施設でいろいろな取り組みがされております。一方、ADLの維持に関しては、筋肉量・身体能力の低下を防ぐ目的で運動療法の導入や栄養指導の強化などがなされてはおりますが、その評価方法に関しては一定のコンセンサスが得られていないのが現状です。高齢化が進む透析患者においては、透析効率のみならず筋肉量や身体能力さらには栄養状態のモニタリングは今後ますます重要になると考えます。
第13回日本透析クリアランスギャップ研究会では、高齢化が進む透析患者のQOL向上に向けた様々な取り組みを報告いただき、その評価方法、モニタリング法について、参加いただく多くの透析スタッフの方々に検討いただきたいと考えます。多数の皆様のご参加と演題のご応募をお待ちしております。
大会長 副島一晃
済生会熊本病院 腎・泌尿器センター
腎臓科部長 兼 臨床工学部門部長